恵方巻きの食べ方の作法 黙って食べる理由や口から離さない理由は?

節分は冬から春になる一年の境と考えられており、かつては大晦日同様に年越行事が行われる大切な日とされ、お祝いをする習慣がありました。大豆を年の分だけ食べるという風習が残っているのも、節分が他の節目よりも特別に重視されているためです。
その節分の新たな習慣として、近年巻きずしをかぶりつく恵方巻きが登場しました。恵方巻きはスーパーやコンビニで売られるようになると全国的に広まり、今や節分の定番商品となっていますね。

恵方巻きの食べ方は地域によって違い、その理由もそれぞれのようですね。

今回は恵方巻きの食べ方の作法の違いと、その食べ方をする理由などについてご紹介いたします。

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恵方巻きを黙って食べる理由

恵方巻きを食べる時の作法でメジャーなのは「恵方巻は無言で食べきる」です。しゃべらないで黙って食べなければならない理由には主に2つの由来があります。

■しゃべると福が逃げるため

■神事を行うときは無言で行うのが基本であるため、口を開くことによって願い事が叶わなくなるため

恵方巻きは福を呼び込むために縁起の良いその年の恵方を向いて食べます。しかし食べている時にしゃべると、せっかく恵方巻きと共に取り込んだ福が、しゃべった言葉に乗って逃げていってしまうと信じられています。日本には古来より言葉には魂が宿るという思想(言霊信仰)があり、恵方巻とともに取り込んだ福が逃げないようにするため、恵方巻きを食べている最中は言葉を発してはならないとされました。

また、神社で御参りする際は手を合わせ心に念じてお祈りをすることと思います。その時に願う事柄を言葉に出してお参りしている人はいませんよね。これを無言参りと言いますが、恵み方巻きを食べる時に言葉を発しないのも、これと同じ意味合いがあります。恵方巻きも幸せや願い事を歳神様に祈って食べるものです。そのため恵方巻きを食べることも神事の一つと捉えられ、神様への祈りの際は黙ることが礼儀という作法が広く浸透したため、恵方巻きを食べる時は無言で食べるようになったと言われています。

恵方巻きを笑って食べる理由

黙って食べるのが基本の恵方巻きですが、一方で、恵方巻きは笑いながら食べるのがルールという地域もあります。
恵方巻きを笑って食べるようになった理由は、「笑う門には福来る」という言葉が示す通り、いつも笑い声が溢れる家には自然に幸運が訪れるし、明るく朗らかにいれば幸せがやってくると信じているからです。
また、笑いながら恵方巻きを食べることで、今年も一年中、家庭内に笑いが絶えないようにとの願いも込められています。

恵方巻きは黙って食べるのが常識と思っている人たちは、笑って食べるという地域の習慣に驚くかもしれませんね。でも、黙って食べる地域の人々も笑って食べる地域の人々も、恵方巻きを食べることで一年間の幸福を得たいという気持ちは同じです。

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地域によって風習は違いますが、私は風習に囚われることなく、楽しく食べることこそ「吉」だと思って、毎年恵方巻きを食べています。

恵方巻きを口から離さないで食べる理由

他にも、恵方巻きを食べる時の作法に「恵方巻きを食べる際には口から離さないで食べる」というルールがあります。この理由には恵方巻きを食べる日である「節分」と「鬼」が深く関係しています。

節分は陰陽道の考え方では季節の変わり目にあたり、陰と陽が対立して邪気を生じ災禍をもたらす日と考えられていました。この考え方に従えば「邪気=鬼」、「災禍をもたらすもの=鬼の金棒」という構図になります。
恵方巻きはこの鬼の金棒を模しているといわれています。黒い海苔に覆われた巻き寿司を太い棒に見立てているんですね。鬼にとって金棒は「鬼に金棒」という言葉が示すとおり、人間に災いをもたらす強力な武器です。その強力な武器を鬼から取り上げて壊してしまえば、鬼は人間に対して災いをもたらすことができなくなります。つまり恵方巻きを食べるということは「鬼の金棒を食べてしまえ!」ということを意味します。
ただ、食べている途中に「チョット一休み・・・」なんてしていたら、その隙に鬼に「金棒」を奪われてしまうかもしれないじゃないですか?そこで「恵方巻きを食べる時は食べ終わるまで口から離さないこと」というルールができたようです。

”恵方巻きを口から離さずに食べる”=”鬼の金棒を手元から離さず壊して鬼の力を弱める”ですので、恵方巻きを選ぶ際は、口から離さないで食べられるサイズのものを選ぶとよいですね。丸かぶりするなら、無理せず食べれる大きさや太さの恵方巻きを選んで購入してくださいね。
恵方巻きは自分で作るという方は、恵方巻のかわいい超簡単アレンジレシピをどうぞ。もすすご~く簡単に子供が喜ぶ恵方巻きが作れちゃいます。

また、最近は恵方巻きロールケーキも流行っていますね。自宅でスイーツver.の恵方巻きロールケーキを作りたい方は、恵方巻きロールケーキの簡単すぎるレシピを併せてどうぞ!

恵方巻きの食べ方の作法 まとめ

恵方巻きの食べ方には「しゃべらずに黙って無言で食べるべし」「笑って食べるべし」「食べきるまで口から離してはならぬ」と多様な作法が存在します。そしてそれぞれの作法に由来や意味があります。面白いですね。

今年の節分は恵方巻きの食べ方とその理由を理解したうえで、恵方巻きを食べるとより楽しい節分になるのでは思います。さて、今年の恵方の方角はどっちでしょう。

恵方巻の意味と方角の決め方 アプリで方向をチェックでご確認くださいね。

恵方巻きに合うおかずや副菜もあわせてどうぞ。

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