先日、国税庁のHPに「ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係」というタックスアンサーが正式に公開されましたね。
タックスアンサー公開前に1度税務署で話を聞いてきていましたが、今回のタックスアンサーの内容は、基本的にその折に聞いておいた税務署の説明内容とも齟齬はないようです。が、念のため、改めて本日(2017年9月11日)税務署へ出向き、再度ももろもろ聞いてきましたのでご報告です。
仮想通貨の税金に対する税務署の見解
今回は仮想通貨を事業資金として利用していない個人のケースでの内容です。
税務署で確認できた事項は、下記の6点です。
①仮想通貨の利益については「雑所得」、課税方式は「総合課税(累進課税)」。
②仮想通貨の売却益の算出には、基本的に総平均法(もしくは移動平均法)が適用される。
③仮想通貨を売却し、その資金で他のコインを購入した場合も課税対象となる。日本円などの法定通貨に換えた時点で課税対象となり、その場合も①と同様に総平均法(もしくは移動平均法)が適用される。
④仮想想通貨間のトレード(仮想通貨を直接他の仮想通貨に替えた場合)も課税対象となる。この場合も、総平均法(もしくは移動平均法)が適用される。
⑤仮想通貨で何かを購入した場合も課税対象となる。この場合も、総平均法(もしくは移動平均法)が適用される。
⑥仮想通貨を法定通貨に換えず保有している状態であれば、含み益が出ていても課税対象とはならない。
④⑤に関しては、仮想通貨は法定通貨ではないれども、外貨預金と同じよう捉えると、差益が出ている場合、利益を含む評価額で他の仮想通貨や物などに替えたと見做されるため課税対象となるそうです。仮想通貨は法定通貨ではないので、④「仮想通貨→仮想通貨」、⑤「仮想通貨→物」は、あくまでも同じ扱いと解釈されるわけですね。う~ん、なかなか厳しい現実です。仮想通貨間のトレードや、物などを購入した場合は、かなり煩雑になりそうですね。
他の雑所得とは損益通算できる!?
他の雑所得との損益通算はできます。税務署が発行している「確定申告の手引き」に「雑所得が損失の場合は雑所得は0円となり、他の所得と損益通算はできません」とあるので、雑所得の損益は他の区分所得(たとえば本業での給料など)の黒字とは損益通算はできませんが、雑所得内であれば、「他の雑所得」との損益通算はできるとのことです。
ビットコインで利益が出ても他のアルトコインで損益が出ていれば、損益通算できますし、さらに、仮想通貨全体で出た利益を、他の雑所得の損益と通算することもできるということです。たとえば、仮想通貨の売買では黒字、アフィリエイトでは赤字であった場合なども、損益通算ができるということですね。
事業所得として仮想通貨を利用している場合は、また話は別になってきますが、個人でのケースは上記の解釈でよいとのことでした。
税務署の担当者も即答するという形ではなく、質問に対してある程度の時間をかけてチーム内で確認しながら、慎重に慎重に回答しているという感じでした。まだ税務署に直接問い合わせに来る人はそんなに多くない様子で、上記の点を確認するだけでもかなり時間を要しましたが、一応現時点での回答は以上のような感じでした。
ただし、あくまでも私が尋ねた税務署の回答ですので、他の税務署では異なった見解が示されるということは現時点では十分にあり得ることだと思います。申告時には必ず自分でしっかりと確認する必要がありますね。
今後の仮想通貨投資のスタンス
いずれにしても、税制に関してはまだまだグレーな部分が多いように感じます。売買を繰り返すのはやはり嫌な予感しかしないですね。もう少し税制がはっきり整ってこないと怖すぎますので、当面はこれまで通り売買はせず、中長期的なポジションで保有しつつ、下落時に買い増していくスタンスでいくことにしようと思います。
只今、中国の取引所規制問題で相場が荒れていますが、もうすぐ仮想通貨に投資(投機)を始めてから4カ月が経過しますので、4カ月が経過した時点で一度成績の報告をしようと思います。
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コメント
こんにちは!仮装通貨を売却した資金でビットコインなどを買ってホールドした場合ですが、最初の売却時には課税で、後の購入ホールドは含み益なので課税対象ではないという解釈であってますか?
ゆゆ様
はい、そのような理解でよいかと思います。
はじめに購入した仮想通貨は法定通貨(日本円など)に換えていますので、課税対象。
その売却資金でビットコインを購入し、ホールドされているなら、その含み益は課税対象ではないという理解でよいかと思います。
申告時には念のため税務署でご確認されると安心かと思います。