七草粥は一般的に正月明けの1月7日に食べるとされていますが、この日にだけ食べるのではもったいないほどの健康と美容効果があります。特にダイエットと美容を両立させたい人には普段からぜひとも取り入れてほしい優秀な食べ物です。
しかし、1月7日に食べるものという特別なイメージが強く定着しているため、七草粥の高いダイエット効果や美容効果は意外と広くは知られていません。また、あまり美味しくないという理由から、積極的に食事に取り入れることを躊躇する人も多いですが、七草粥の簡単なアレンジ方法によりかなり手軽に美味しく食べることができてしまいます。
今回は七草粥で無理なくダイエットと美容を成功させる、とっておきの方法をご紹介します!なんとしてでも暴飲暴食による正月太りを解消しましょう!
七草粥の栄養素と効能
そもそも七草粥はどうして食べられるようになったのでしょうか?
古来の日本では一年に5回、季節の変わり目をお祝いし特別な食べ物を食べる「節句」と呼ばれる風習がありました。いわゆる「五節句」と呼ばれるもので、1月7日、3月3日、5月5日、7月7日、9月9日が五節句の節日とされています。このうち七草粥を食べる1月7日は「人日(じんじつ)の節句」と呼ばれ、この日に無病息災を祈願して食してきたのが七草粥です。ちなみに、節日の月と日は「1・3・5・7・9」と全て奇数になっていますね。これは五節句が中国から伝来した習慣で、中国では奇数は縁起がよい数字とされているためなんです。特に年のはじめの1月1日は別格に縁起が良い日で「元旦」とされていますから、1月だけは元旦の代わりに7日を節日としています。季節の変わり目であるこれら節日には栄養価が高く健康によい食べ物を食べて無病息災を祈ってきたんですね。
一般に七草粥に入れる七草は「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ」という野菜です。これらはいずれもビタミンやミネラルが豊富で食物繊維が多いという特徴をもちます。栄養価も大変高く、普段の食事では摂取しにくいビタミンやミネラルをバランス良く含んでいるため、胃腸を整える効果があり美容にも大変良い食材です。
七草を食べることで新年のおいしいごちそうで疲れた胃腸を整えるとともに、体全体をケアする美容の効果がありますし、何よりダイエットに抜群の効果がありますよ!
七草粥がダイエットや美容に効く理由
七草粥が美容やダイエットに効果がある主な理由は3つあります。
♦お粥なので少ない量で満腹感が得られ、炭水化物・脂質・糖質の摂取量を抑制できる
♦食物繊維が豊富で胃腸に優しく、便秘解消などのデトックス効果がある
♦ビタミン・ミネラルを多く含むため美容に高い効果がある
1つ目のポイントは、お粥として食べることで通常のごはんよりも少ない量で満腹感が得られる点です。太る一番の原因は、代謝しきれないほどの食事を一気に摂ることにあり、特に炭水化物の塊であるお米の食べすぎは肥満の原因になります。消化できないほどの食事は、体の中で必要な栄養素が吸収された後にエネルギーではなく脂質として体内に溜め込まれていきます。人間の食事の量の理想は「腹八分目」と言われますが、これは人間に必要なエネルギーは腹八分目で十分に摂取出来るためで、それ以上食べると体に脂質を溜め込むリスクが上昇するからです。七草粥には炭水化物の過剰摂取を抑制する効果がありますので、これをうまく食事に取り入れられれば無理なく痩せることができダイエットの成功にぐっと近づきます。
2つ目は、七草粥には食物繊維が多く含まれているため胃腸に優しい点も大きなポイントです。普通のおかゆには食物繊維はほとんど含まれておらず炭水化物がメインですが、七草粥の七草には腸を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を活性化する食物繊維が豊富に含まれています。また、七草の食物繊維には腸内環境を整える善玉菌の餌になってくれる水溶性食物繊維が豊富に含まれているため、便秘解消にかなりの威力を発揮します。便秘は肥満のもとですから、毒素を排出しデトックス効果の高い七草粥はダイエットに最適なんですね。
3つ目は、七草粥にはビタミンやミネラルが豊富に含まれている点です。七草粥はビタミンC、ビタミンA、鉄分、カリウム、亜鉛、カルシウムと言った栄養素を一度に摂取できます。これらはいずれも美容や美肌には欠かせない栄養素で美容効果も得られるためお肌もとても調子が良くなります!
通常ダイエットというと食事制限によって必要な栄養素が摂取できなくなり体に負担がかかったり、お肌が荒れたりなどの弊害を伴うことが多いですが、七草粥はその点をも見事に克服する究極のダイエット&美容食というわけです!
七草粥でダイエットと美容を無理なく成功させる秘訣
では七草粥でダイエットと美容を無理なく成功させるにはどうしたら良いのでしょうか?単純に七草粥を食べるのでは無く、実は秘訣があります。
おすすめの方法は、1日に食べる食事のうち一食をご飯ではなく七草粥に変えるという方法、名付けて「置き換えダイエット」です。食事の量を極端に減らしたり、満腹感が得られなかったりすると大体の場合は3日坊主でダイエットは失敗に終わってしまいます。が、朝食・昼食・夕食のいずれか一回分の食事のごはんを七草粥に置き換えるだけで、摂取する炭水化物の量は半分に抑えることができます。たかが1回ご飯の量が半分に減ったくらいで痩せられるの?と思われるでしょうが、侮るなかれ、七草粥は単に摂取するカロリーの量を抑えるだけではなく、同時に豊富な食物繊維の力でデトックス効果も得られますから、この2つの相乗効果により単純に食べる量を減らすだけのダイエットよりも格段に高いダイエット効果が得られます。
置き換える食事は、可能であれば夕食のごはんを七草粥に置き換えるのがよいでしょう。その理由は2つあります。
1つは夕食後は寝るだけで、寝ている間はカロリーはほとんど必要としませんし、就寝中に胃腸を休めて蠕動運動を促すためにも、夕食は1日の中で一番少ないカロリー摂取に抑え、かつ消化によいものを食べるのがベストなんです。夕食に七草粥を取り入れると寝ている間に七草に含まれた食物繊維が腸内で働き、翌朝に便秘が解消されるという効果も期待できます。ただし無理をすると長続きしませんので、朝食・昼食・夕飯のいずれか1回の食事のご飯を七草粥に置き換えるということでOKです。それでも十分に効果は得られます。
「七草粥に置き換えダイエット」を実行するにあたって注意点は3つです。
♦朝・昼・夕の中で、自分が置き換えて楽な食事で実行すること
♦食事の量は腹八分目を守ること
♦七草粥以外の食事制限はしない。(ただし間食はNG)
人間の脳は苦痛だと感じると続けたくなくなりますから、あくまでも苦にならない一食を選び七草粥に置き換えるのがポイントです。ダイエットはリバウンドしてしまっては意味がありませんので、無理のない方法で継続することが一番大切です。
ちなみに、健康を考えるならば、低血圧で悩んでいる人や寝起きがつらい人は夕食を変えるのがおすすめです。また、朝、食が細い人は朝食を七草粥にするのが向いています。
置き換えダイエットですので、間食が普段よりも増えてしまっては意味がありませんが、七草粥以外の食事制限はしなくて大丈夫です。むしろしてはいけません。一日に必要なエネルギーやタンパク質などの栄養素が不足すると栄養のバランスが崩れ美容を損ないます。美しくなるためにダイエットをするのに、美容を損なうなんて矛盾していますからね。無理な食事制限は禁物です。ダイエットは継続が命です!
七草粥ダイエットのまとめ
「七草粥置き換えダイエット」の最も優れた点は、過剰に摂りすぎている炭水化物・糖分・脂質の量を抑制することで、一日の総カロリー量をコントロールできる点です。
七草粥は正月にごちそうを食べすぎて疲れてしまった胃腸をいたわるだけでなく、ミネラル・ビタミンなど美容効果の高い栄養素をバランスよく含んでいますので、三食のうちの一食を七草粥に置き換えるだけで、ダイエットを苦痛なく続けることができます。
まずは1週間試してみると効果があらわれてきますよ!
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