2月3日は節分ですね。
節分とは「節を分ける」、つまり季節を分けるという意味です。もともと節分は春夏秋冬の4つの季節の変わり目のことを意味していましたので、旧来は立春の前日である2月3日だけではなく立夏・立秋・立冬の前日すべてが節分でした。
立春の前夜である2月3日には柊鰯(ひいらぎいわし)で鬼を追い払い、悪疫退散と招福を願う行事である豆撒きが各地で行われます。
ところで、この柊鰯(ひいらぎいわし)とは何でしょうか。豆まきは子供の頃からしてきたのでなじみが深い行事ですが、柊鰯については「なにそれ?」という方が意外と多いのではないでしょうか。
今回は、節分には必要だけれど実は知らない人が多い柊鰯について、その由来から作り方や飾り方まですべてをご紹介します。
節分の柊いわしの作り方
柊鰯の作り方はとても簡単です。節分に柊いわしを飾る風習は1000年以上前から受け継がれてきた日本の伝統文化の一つです。歴史ある日本の文化に触れる意味でも子供さんに節分の柊いわしの意味を説明しながら、お子さんと一緒に一度手作りしてみてはいかがでしょうか。お子さんにとっても非常に良い勉強になると思いますよ。
では、作り方をご紹介しますね。
鰯(いわし)・・・1尾
柊(ひいらぎ)の小枝・・・1本(30cm~50cm位のもの)
♦作り方
1:鰯を魚焼きグリルなどでこんがりと焼きます。
2:鰯が焼けたら頭を切り取ります。(胴体は美味しくいただきましょう。)
3:焼いた鰯の頭を柊の枝の先端に刺します。エラから目に向かって枝を突き刺すのが正式な刺し方です。(これは鬼の目突きを意味しています。)
これで柊鰯の完成です。簡単でしょ!さあ早速飾りましょう。
節分の柊いわしの飾り方と飾る場所
できあがった柊鰯は玄関の外に飾りましょう。鬼は玄関から家に入り込もうとたくらんでいますので、柊鰯は軒下からひもで吊ったり、家の門戸に括りつけたり窓ぎわに挿したりします。また玄関の外に、花瓶に花をさすように柊鰯を瓶に挿して飾る方法でも良いです。
ただ、マンションにお住まいの方で「マンションの玄関に匂いの強いものを出しておくのはチョット・・・」という方も多いと思います。集合住宅において「匂い」はトラブルのもとですでの、その場合は柊鰯は玄関の中に飾りましょう。鬼の侵入をブロックするという意味合いなので、玄関付近であれば外でなく中でもよしということで。
節分に柊いわしを飾る意味と由来
柊鰯(ひいらぎいわし)とは、節分の夜に鬼を退散させるために鰯の頭を柊の枝に刺して自宅の門や軒、窓に飾るおまじないです。別名「焼嗅(やいかがし)」とも呼ばれています。焼いた鰯の強烈な臭気と煙が鬼を払い、柊の堅く尖った葉は鬼の目を刺し貫くと言われています。また地域によっては鰯の頭の他に、アセビ・グミ・タラ・トベラ・ニラ・ニンニク・ネギや毛髪といった強い臭気を放つものを焼くこともあります。
柊鰯を魔除けに使う風習はとても古く平安時代から存在します。平安朝の頃、聞鼻(かぐはな)という悪鬼が都へ出てきて女性や子供を取って食ったが、この鬼は鰯の匂いが大嫌いでいわしのある家には入らなかったそうです。そこで鬼除けとしてイワシを戸口に置き、近づけばトゲが刺さるよう柊(ひいらぎ)の葉をあしらったというのが柊鰯の始まりと言われています。
また、平安時代の歌人・紀貫之による『土佐日記』にも注連縄に鰯の頭と柊を付けたことが記されていて、とても古くよりこの風習が日本に根付いていたことがわかりますね。せっかくですから、そのくだりを。
「小家の門の端出の縄の鰯の頭、柊らいかにぞ。とぞいひあへなる」(『土佐日記』紀貫之)
庶民の家である「小家の門」に柊イワシが飾ってあったんですね。
柊鰯についてのまとめ
節分に豆まきをしてや恵方巻き食べるのは今日では一般的ですが、柊鰯については意味を知らないし見たこともないという方が多なってきています。最近では柊鰯を飾っている家庭はあまり見かけなくなりましたからね。
1000年以上前から受け継がれてきた日本の伝統的な風習が消えてしまうのは何だか寂しい気もしますし、お子さんが大きくなる前に一度だけでも節分にひいらぎイワシを飾って、その意味を一緒に確認してみるのも素敵かなと思います。
節分の豆まきに柊鰯があれば、まさに鬼に金棒ですよ!
招福を願い楽しい節分をお過ごしください。
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