子供が罹りやすくて最も厄介な病気の1つは何と言ってもインフルエンザですね。
普段元気な子が高熱を出して苦しそうにしている姿を見ているのはホントに辛いです。
インフルエンザは高熱とともに頭痛や悪寒、場合によっては嘔吐を伴うこともあり、病院で処方してもらった薬をなかなか上手く飲んでくれず、薬を吐いてしまうこともあります。そんな時は、早く元気になってほしいのにどうしたらよいかわからなくなりますね。
今回は、インフルエンザに罹った子供が薬を飲まない時の対処法をご紹介いたします。
インフルエンザの子供に錠剤の薬を上手く飲ませる方法
インフルエンザの際に処方される薬の1つに錠剤がありますが、子供用に錠剤が処方される場合、予め半分に割ってあることが多いですよね。でも、錠剤はなかなか上手に飲んでくれない子供が多いんです。そんな時、半分に割ってある錠剤をさらに細かく粉砕して飲ませたりしていませんか?実はそれは間違った薬の飲み方なんです!
薬には大きく分けて「錠剤・粉薬・シロップ」の3種類がありますが、これら薬の種類には実はちゃんと意味があります。
この3種類の薬は飲んだ後、溶けるまでの時間がそれぞれ異なりますよね。溶けるまでの間にも薬は体内をどんどん移動していくわけですが、薬にはそれぞれ有効成分を吸収してほしい内臓が決まっていまして、その内臓に到達する頃にちょうど溶けるように時間を計算してそれぞれの薬が作られているんです。つまり、内臓のどこに到達した時にその薬が溶けるかを計算したうえで、錠剤か粉薬かシロップかなどが決められているというわけなんですね。
割ってあるだけで粉砕していないのにはそういう理由がありますので、元々は固形で処方された薬を粉のように砕いて飲ませるとその薬の本来の効能が発揮されなくなってしまいます。ですから錠剤を細かく砕いて飲ませるのはNG。錠剤で処方された薬は錠剤で飲むのが鉄則です!
問題は、上手く飲んでくれない場合はどうしたらいいのか?ですよね。
子供が錠剤を上手に飲まない理由の1つは、薬の形状が大きくて飲み込みにくいことにあります。そのような場合は薬局で売っているゼリーを使用するのがおすすめです。
口当たりが良くて甘い味のするゼリーは、子供が好む味になっていて、食感もツルンとしているので、比較的無理なく自然に飲み込んでくれることが多いです。
また、錠剤をオブラートに包んで飲ませる方法もなかなか有効な手段ですよ。オブラートは粉薬を飲む際の方法として有名ですが、オブラートは水分を含むとツルンとしてのどの通りが良くなりますので、錠剤を飲んでも違和感を感じることなく飲んでくれることがあります。
インフルエンザの子供に粉薬を上手く飲ませる方法
錠剤よりも苦労するのが、粉薬ではないでしょうか。オレンジやイチゴの味がする薬は問題なく服用してくれる子供も多いですが、そうでない薬はなかなか苦戦しますね。
原因は舌が粉薬の苦味を感知するためですね。苦いのは大人だって嫌ですから。
そんなマズ~い粉薬を美味しく飲ませるには、ジャムや練乳と混ぜて飲ませるのが効果的です。ジャムや練乳は甘みが強いので、粉薬の苦みはほとんど感じなくなりますから、特に甘い味が好きな子供には向いています。
でも、ジャムや練乳は糖分が多すぎるので健康面で心配、という場合はリンゴジュースがおすすめです。リンゴジュースは他のジュースとは異なり、薬剤に特有の苦みを緩和する効果があります。グレープフルーツジュースやオレンジジュース等の柑橘系のジュースに粉薬を混ぜると、ジュース自体の苦味が強くなって余計飲みにくくなってしまいますが、りんごジュースは薬を混ぜてもジュース自体が苦くなることがないんです。
リンゴジュースに粉薬を溶かして飲ませる際は、できれば果汁100%で果肉が入っている物を選ぶと栄養補給も兼ねることができますので一石二鳥です。可能であれば、ママがりんごをすりおろして絞って、それに粉薬を混ぜて飲ませてあげて下さい。これより美味しいジュースはたぶんありませんから。
インフルエンザの子供にシロップ薬を上手く飲ませる方法
シロップ薬は甘いから好きな子供もいますが、微妙な甘さですからね、やっぱり上手く飲めない子供も多いです。
シロップ薬を嫌がる場合は、ズバリ、先程紹介したリンゴジュースに混ぜるのが効果的です。その他には、ヨーグルトに混ぜたり、シロップ薬に蜂蜜 を混ぜると飲んでくれる場合が多いですよ。ただし、蜂蜜は1歳児未満の子には絶対NGです!
また、シロップ薬はフルーツの缶詰に入っている甘味シロップに混ぜると薬臭さが消えますので、缶詰のシロップにシロップ薬を入れてゼリーを作り、フルーツゼリーとして食べさせるというのも一つの方法です。わが家の娘は缶詰のシロップがものすご~く好きなので、今のところこシロップを飲ませる際はこの方法が一番効果があるようで、驚くほどすんなり食べてくれます。というか薬が混ぜてあることに気づきません。
ゼリーを作っている時間がないという場合は、ゼリー飲料(ウィダーinゼリー等)の栄養補助食品でも代用することもできます。
インフルエンザはタミフルやリレンザを飲まなくても治る?
インフルエンザは実は、海外、特に中国、米国、イギリスでは自己免疫で直す風邪の一種とみなされているんです。一般的には5日ほど安静にしていれば治すことができるといわれています。特に医療費の高いアメリカではインフルエンザは自宅で治すものという認識が強く、イギリスの場合もただの風邪と同じ扱いで、自己免疫力と水分補給で治すという認識のようです。
ですから、必ずタミフルやリレンザを飲まなければインフルエンザは治らないというわけではありません。 ただそれらの薬を使わない場合は、熱が高くなりすぎないように十分に気を付けて、寝汗が出た場合のケアをしっかりと行い、快適な睡眠をとるように心がけ、多めの水分と消化が良く栄養のある食事を摂取することが大切です。
ただし、免疫力の弱い子供は「インフルエンザ脳症」や「インフルエンザ脳炎」などの重篤な合併症を引き起こす可能性がありますので、しっかりと子供の様子を見守って、異変を感じたらすぐに病院に行って適切な処置を受けるようにしましょう。
市販薬を服用する場合は、漢方薬を試してみるのも手です。市販薬の麻黄湯はインフルエンザに効果がある漢方薬としてとても有名ですね。漢方薬は飲みにくいですがオブラートに包んであげるとわりとすんなり飲んでくれる可能性があります。ただし、漢方薬を飲む場合も自己判断はせず、必ず薬剤師の指示に従って飲むようにしてくださいね。
インフルエンザの子供が薬を飲まない時の対処法のまとめ
錠剤、粉薬、シロップ薬を飲ませるうえで大切なのは、薬独特の苦みをできるだけ減らし、子供が飲みやすい味でうまく味を誤魔化して飲ませる工夫をするのが肝ですね。
タミフルやリレンザまでダメとなると「どうしよう」と思ってしまいますが、高熱だけ気をつけて4~5日間安静にしていれば自然治癒で元気を取り戻していきますので、心配しすぎる必要はありません。
なお、看病の際はママも十分に感染予防対策をしてインフルエンザの二次感染に気を付けてください。どうぞお大事に。