九州国立博物館の麓にあるフレンチレストラン「エッサンス」は福岡市内から車で1時間ほどの距離にあります。菅原道真公が祀られている太宰府天満宮のすぐ近くに位置しています。
太宰府天満宮の近くにあるエッサンスに行ったよ!
福岡市内には「ジョルジュ・マルソー」「レストランひらまつ 博多」「ラ・ロシェル福岡」など名だたるフレンチレストランがそれはそれはたくさんあります。どれも上質なフレンチが頂ける甲乙付けがたい名店がひしめき合っています。
そんな中でこちらリストランテ「エッサンス」は、福岡市内から少し離れた太宰府にひっそりと佇むレストラン。ただし少し前までは、です。最近は「ヒトサラ」をはじめとするメジャーな雑誌でも取り上げられるようになってしまい、ひっそりでもなくなってしまいました。
エッサンスのこだわりフレンチ
お店はオーナーシェフのご主人と奥様のお2人で経営していらっしゃいます。(→2017年9月に訪れた際は奥さまはいらっしゃらず、従業員のかたがお1人いらっしゃいました。更新日:2017年10月10日)
エッサンスの店内はテーブル席が3席しかありませんので、ランチ、ディナーともに、それぞれ3組までの完全予約制なので、最近は予約・・・取り難いです。
開店して5~6年でしょうか、もはや有名人気店になりました。
何がすごいかと言いますと、すごさの秘密は第一にシェフの料理に対する執念です!
たとえば、ですが、こちらで提供されるパンはもちろん自家製ですが、パンは客の到着時間に合わせて焼きあげるという徹底ぶり。バターも2種類(1つは無塩発酵バター、もう1つが海藻バター)出るのですが、単なるバターではありません。バターそのものが調理されて出てきます。
これは私の感ですが、たぶん海藻バターの方は「ボルディエ 海藻バター」をホイップなどしてさらにおいしくしたものではないかと。こちらリッツ・カールトン大阪にも売っていてお土産に買ってきましたが、そっくりなお味でしたので、たぶん間違いないかと。
その他の料理は写真付きでご紹介。執念の賜物たちです。
エッサンスのコース料理をご紹介
今回のランチコースは一人¥3800位だったと思います。(←メニューや価格は随時変更になりますので、詳細はエッサンスにお問い合わせください。)
構成は、前菜①・前菜②・スープ・メイン(魚をチョイス)・デザート・コーヒー・小菓子でした。(要1ドリンクオーダー)
前菜①
しょっぱなからすみませんが、名前忘れました。何とかのカプチーノ仕立てだったと思います。
ホタテの紐をミルクで煮出して、ホタテのエキスを抽出し、それをカプチーノ仕立てにしたものが、上にのっています。ふわっふわです。
その下にはゴロッとしたホタテやら何やらがクリーム系のスープにたくさん入ったものが隠れています。食べるスープといった感じです。
こちらのシェフはおそらくホタテを料理させたら、福岡一だと思います。今のところ、こちらのシェフ以上にホタテを美味しく食べさせるお店には出会っていません。
前菜②
自家製スモークサーモンの何とか。やっぱり名前忘れました。
このスモークサーモン、桜のチップなどで燻製をした自家製で、ものすごく良い香りがするのは言うまでもありませんが、一番素晴らしいのは火の通し具合。神技級です。
写真では生のように見えますが、実はちゃんと火が入っています。38℃~43℃くらいで火を通す、と仰っていたように思います。(すみません、ウル覚えです。)身が固くなって色が変わる寸前の温度で火を通すのだそうです。だから生のような色合いなんですね。身の色が変色する寸前の状態まで火を通し、サーモンの旨味を最大限に引き出す技です。普通のスモークサーモンとは別次元のお味です。
スープ
ゴールドラッシュというトウモロコシを使ったスープ。とても甘い。このスープにもホタテやらゴールドラッシュの身やらがゴロゴロ入っています。「な、なんだっ、これは!」という美味しさです。あまりの味に言葉を失います。うなるレベル。もはや芸術品です。
メイン
メインでチョイスした「イサキのポワレ」。
「活〆神経抜き」という、海から揚がってすぐの状態に匹敵する鮮度を保つ技法により、仮死状態にした魚を料理。身はフワプリッといった食感で、旨味もたっぷり。今回のイサキはなかなかワイルドな跳ね返すような歯ごたえのあるイサキでした。
福岡市の「ジョルジュ・マルソー」も同じ技法でお魚を調理していまして、お魚のグリルでは福岡で3本の指に入るお店だと思いますが、こちら「エッサンス」のお魚もそれ負けていません。互角だと思います。
そんなふうに思っていたところ、エッサンスのシェフは、以前「ジョルジュ・マルソー」の副料理長としてヘッドハンティングされたことがあると聞きました。お断りしたそうですが。なるほど、やはりそんなレベルのお味なのねと納得した次第です。
デザート
複数種の中から2種類選べます。夫は抹茶のケーキとローズのアイス。
抹茶のケーキは、いわゆる和風の抹茶ケーキのイメージではありません。レモンとホワイトチョコをあれこれしてある複雑なお味。本格的です。
わたしはメロンのデザート。
メロンは「上の方の甘い部分だけカットして提供しています!」とのこと、なんとも贅沢ですね~。ものすっごく甘いですよ。シャーベットはハーブの香りがします。メロンとの相性バッチリ!
エッサンスのシェフの才能に惚れる!
エッサンスのシェフは以前福岡市内でお店を出しておられました。その頃によくランチを食べに行っており、シェフが「メニュー外でも、何でも作りますので好きなもの言ってください。」と言って下さるので、ホタテのリゾットをよく作ってもらっていました。
ところがある日、本当に突然閉店してしまい、その後シェフがどこのお店に行かれたのか全くわからなくなってしまいました。お名前を聞いていなかったので探したけれど、わからずじまい。
でも、どうしてもシェフの料理の味が忘れられず、それはそれは一生懸命シェフの新たな勤め先を探しました。(いやっ、ストーカーじゃないですよ。)でも、やっぱりわかりませんでした。そんな頃はまだfacebookとかもメジャーじゃなかったですしね。
結局見つからず、数年が経過し、ふと思い出しネットなどでシェフの行方を探しましたところ、なんと!太宰府天満宮の近くで「エッサンス」という新たなフレンチレストランをオープンされたことを知りました。
その間4年位だったと思います。あれほど探したのになぜ見つからなかったのか、久しぶりに再会した際に尋ねましたら、「ルクセンブルク大使館」で料理長をされていたとのこと。海外かよ、そりゃ見つからんわ!
まだとてもお若いのに凄いかたです。
と、そこまでして食べる価値のあるお料理ということです。
シェフは料理を研究しだしたら止まらない人のようです。「もう2年くらい、街(天神)には出ておらず、ずっとお店で料理の研究をしています。」とおっしゃっていました。もはや山籠もりの修行僧です。シェフになるためにこの世に生を受けたかのような方です。
でもそれは料理にちゃんとあらわれていて、すごい執念を感じます。あっ、ご本人は執念深い人とかではないですよ。とってもぼくとつとしたやさしい感じのまじめなかたです。
そのうちミシュランの星とるのでは?と、ひそかに予感がしています。
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